インタビュー

世界中から訪れる、土と人情で心を耕す宿
だいちゃん農園ゲストハウス 志藤 一枝さん

PROFILE/だいちゃん農園ゲストハウス 志藤 一枝さん

千葉県生まれ。英語教師として長年活躍した後、結婚を機に朝日町のりんご農家へ。
長男の不登校経験から「農業は心も耕せる」と確信し、2017年にだいちゃん農園ゲストハウスを開業。
コンセプトは「お客様FAN=家族」。得意の英語を活かした国際交流と、農業体験を通じた心の癒しとなる宿を目指して、「日本の母」として国内外からゲストを迎えている。

農家民宿を始めたきっかけは何ですか

正直、最初は長男のためでした。 彼が高校時代に不登校になったとき、夫と土を耕すうちにみるみる元気を取り戻したのを見て、「農業は土だけでなく、人の心も耕せる」と確信したんです。 私の得意な英語と、夫の農業を掛け合わせて、心の闇を抱える青年たちをサポートする場と、世界と朝日町をつなぐ国際交流の拠点を作る、これが私たちの原点です。

今の暮らしをどのように感じていますか

りんごの収穫時期とゲストの受け入れが重なると、本当に分刻みのスケジュールになって大変なときもあります。 でも、それ以上に何にも代えがたい喜びは、ここにお越しになったお客様が「実家に帰ってきたみたいだ」と心底リラックスしてくださることです。

農家として、自分たちが作る作物や、この土地の食材に対する想いやこだわりを教えてください。

夫は「自分が食べてみて、本当に美味しいと思えるものしか収穫しない」という、農家10代目としての譲れない誇りを持っています。 私たちにとって、りんごやりんごジュース、そして畑で採れたての野菜は、ただの食材ではありません。 この朝日町の「命を育む土」が授けてくれた、最高のおもてなしなんです。お客様が、この土地の味を「美味しい!」と笑顔で召し上がってくださるときが、農家として一番嬉しい瞬間です。

農家として、自分たちが作る作物や、この土地の食材に対する想いやこだわりを教えてください

宿を始めてから、印象に残っているゲストとのエピソードはありますか

涙が出るほど嬉しかったのは、台湾からのリピーターご夫婦のことです。 毎年必ず来てくれるのですが、ただ泊まるだけでなく、地域の文化祭に参加したり、茶道や習字の先生から日本文化を学んだりして、町の人々との交流を心から楽しんでくれるんです。 「志藤さんの家は、私たちにとって第二の故郷だ」と言ってくれたとき、この民宿の役割を果たせていると実感し、胸が熱くなりました。
また、かつてサポートした山形大学の留学生が、故郷インドの結婚式に私を「日本の母」として招待してくれたことは、一生の宝物です。

宿を始めてから、印象に残っているゲストとのエピソードはあります

ゲストを迎える際に大切にしていることはありますか。

都会で頑張っている方には、ここで心の荷物を全て降ろして、「土に触れ、人に触れて、心が耕される時間」を過ごしてほしいです。 そして、帰るときには、美味しい空気とご飯で英気を養い、「また明日から頑張ろう!」という元気と癒しをいっぱいに詰めて帰っていただきたいと思っています。 私たちが大切にしているのは、あくまで「お客様は家族」としての、飾らない温かさです。

朝日町の魅力を教えてください。

朝日町の魅力は、「空気神社」に象徴される澄んだ空気と清らかな水といった豊かな自然。美味しいりんごやワイン、そして特産品のアケビの存在感も高まっています。
一つひとつあげればきりがありませんが、一番は「人」の温かさだと思っています。
私が千葉から嫁いできて30年以上経ちますが、皆さんが本当に家族のように迎え入れてくれました。 ゲストハウスに泊まったお客様が、すぐに地域の皆さんと打ち解けて、茶道や習字といった文化を体験できるのも、この町の人々の心がオープンだからこそだと感じています。
朝日町は、ただのどかな田舎というだけでなく、人が人を育み、心が耕されるエネルギーに満ちた場所。 私たちはその魅力を、美味しい食と、ありのままの暮らしを通じて、ゲストの皆さんに伝えていきたいと心から思っています。

朝日町の魅力を教えてください。